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愛に濡れたわたし

 一九七三年に公開された加藤彰監督作です。
 ダメ男が女を探し、女に翻弄されるダメな物語だ。
 断っておくが作品に問題があるわけではなく、そういう構成なのである。

 ある日雷雨である小さなバーに入った、藤木京平(石津康彦)はマダムの美和(宮下順子)と知り合った。
 雷の恐怖におびえる美和は、どちらともなく誘い、結ばれた。
 美和の太股には蛇の刺青があり、彼女はその過去から逃げるために京平と交わった。
 のちに美和を東京に呼び寄せ、アパートに住ませた。

 京平は失踪した妻・よし子を捜しており、仕事をやめてしまう。
 興信所にも依頼したがさっぱりだ。妻捜しに疲れているが、それでも妻を捜し歩く日課を続けていた。
 美和は彼に毎日、弁当を作ってやる。ある日土手を歩いていると謎の女中川梨絵が男たちと絡んでいた。

 ある日、京平が家に帰ると、美和の妹(青木りさ)が妻の居場所のことを知ってると尋ねて来た。
 彼女の話の最中サングラスの男(高橋明)が「女をかえせ」と乱入して来た。
 京平が唖然としている間に、男は帰っていく。

 正直美和の行動が支離滅裂だ。何をしたいのかわからない。
 魔性の女のように見えて実際は京平の気を引こうとしているなど、行動に一貫性がない。
 ある意味ダメ女と言える。浅はかな女の行動が滑稽に見えた。

 京平のキャラクターもわからない。妻を探すのはわかるが仕事を辞めてまですることではないだろう。
 しかも警察には頼まないし、泥棒が入って被害届を出したとき警官に奥さんを逃げられたことを皮肉られるときれるなど、情緒不安定だ。
 ただ主人公のダメさ加減はよくできていると思う。見ていて歯がゆくなるも、共感できる部分はあると思う。

 この作品の見せ場は美和が土手で男たちに乱暴されるところか。
 太ももの刺青を見ておじけずくも、中川梨絵さんにナイフで刺青をえぐるシーンが怖かった。
 印象に残るのはそれくらいかな。
愛に濡れたわたし [DVD]愛に濡れたわたし [DVD]
(2005/12/22)
宮下順子

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