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完全なる遊戯

一九五八年に日活で公開された舛田利雄監督作で、原作は石原慎太郎氏の小説です。

 なんでもオツムの弱い女性を暴行した挙句殺す話が原作だそうですが、当時の映画事情なら原作を再現できるはずがありません。

 大学生の戸田(梅野泰靖)と大木(小林旭)秋谷(柳瀬志郎)興津(武藤章生)らはノミ屋を利用して金儲けを狙っていた。
 当時は競輪場とノミ屋に直通の電話がないのでそのタイムラグを利用し、当たった券を買うものだった。
 これ、上映された後、ノミ屋は対策したかもね。

 買ったはいいがノミ屋には配当金をすべて支払えなかった。場を仕切る鉄太郎(葉山良二)は困り果てる。
 そもそも違法だからしぶられても仕方ないんだけどね。

 金を貰えない戸田たちは腹を立て鉄太郎の妹京子(芦川いづみ)を誘拐し、金を要求した。
 京子の相手は大木に任された。それが間違いの元であったのだ。
 しかし軟禁に暇を持て余したカズ(岡田真澄)が彼女を傷つけてしまい、さらに大木の正体を暴露され、京子は自殺しまう。
 もっとも直接な描写はない。当たり前といえる。

 小林旭出演作なのだが全体に暗い空気が漂っている。
 前半は戸田たちが計画を遂行するために緻密に行動しているが、後半は京子を強引に誘拐した。
 鉄太郎が金を作ろうとしてひったくりを働き、最後は戸田を刺し殺すという悲劇で終わる。

 のちにさすらいのヒーローを演じるマイトガイ小林旭の異色作といえる。
 それに石原氏も自分が東京都知事になるとは思いもよらなかっただろう。
 そして五四年も昔に暴行物の原作を映画化した事実がすごいな。
 のちに日活ロマンポルノなら再現できるかもしれないが、できなかったのだろうか。

 マイトガイになる前の小林旭を堪能できる作品です。
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