Entries

痴人の愛 感想


 谷崎潤一郎先生が1924年に大阪朝日新聞で連載していました。

 物語はジョージという男がナオミという少女と出会ってからです。
 ジョージはナオミを自分好みの女に育てようとしました。ですが彼女は習い事などまったく身に入らず、さらには無駄遣いばかりするのです。
 そして他の男とにゃんにゃんする始末だ。怒ったジョージはナオミと絶縁宣言するが、すぐに後悔した。
 ナオミと再び暮らすことになったが彼女に頭が上がらないのであった。

 私が痴人の愛を知ったのは多分低俗な雑誌に書かれていた記事だったと思う。
 それはこの作品にはナオミがジョージをお馬さんごっことして馬乗りにするシーンがあるのだ。
 雑誌には過去の痴人の愛が映画化された女優の写真が掲載されていた。
 他にも志茂田景樹や故勝新太郎などお馬さんになった人たちも並んでいたのだ。

 試しに地元の図書館で読んでみたがあまりに長すぎるのであきらめてしまった。
 そして現在ブックオフで108円で購入し、じっくり自宅で読めるようになったのである。
 古本を買うなどもってのほかだ、きちんと新品を買えとお叱りを受けそうだが、勘弁してもらいたい。
 私はそれほど文学に熱心ではないのだ。

 作中ではジョージはナオミに英会話を教えたり、外国人と交流させたりしている。
 しかしどうにもナオミは物覚えが悪いのか、あまり身についていない様子だ。
 それに外国人たちの集まるパーティでも悪目立ちしていたようで、ジョージは不満なのである。
 あと彼女は無駄遣いが多く、節約することを知らない。もっともジョージの稼ぎはいいようで金銭的な心配はしてないようだが。

 私ならムダ金を使わされるくらいなら別れてしまうだろうな。
 これは私が女性というものをよく知らないからだろう。本当に女性が好きなら多少は財布のひもが緩んでもおかしくない。
 自分だけなく他人のために金を使えなくては人生は真っ暗かもしれないと思った。

 ジョージという男はなんとも情けない男に思える。実のところ年下の女だから強気でいられるのだ。
 それがナオミのしたたかさにジョージの心は乱されていく。
 そしてナオミが消えた際は一気に不安になっていった。その後のおろおろした姿は滑稽である。

 大正の後期とはいえ、情けない男の姿を描く小説は珍しいと思う。
 よく発行できたなと感心しています。そもそも刺青のときから谷崎氏の小説は艶やかで色気が強いと思ったからだ。
 べつに官能小説のように濡れ場があるわけではない。だが、その絢爛な世界観は同時期の芥川龍之介氏のものとはかけ離れているのだ。

 一応私小説といい、自身を反映させた作品だという。ナオミという得体のしれない女性に心を惹かれるなど理解できない。
 もし私がナオミに出会ってしまったらどうなるだろうか。おそらく麻薬中毒者のように深みにはまるかもしれないな。 
スポンサーサイト
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://kouhoba.blog.fc2.com/tb.php/1556-62108b3b

トラックバック

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

Appendix

プロフィール

江保場狂壱(こうほば・くるち)

Author:江保場狂壱(こうほば・くるち)
ようこそいらっしゃいました。
江保場狂壱の面白いと感じたものを紹介しています。
映画や漫画、ゲームなどがありますよ。
まあ一貫してないのが難点だけどね。

カウンターショック

皆様のおかげで元気になれます。来てくれてありがとうございます。

買い物

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR